抗感染症領域
近年問題視されている、抗生物質の効かない耐性菌による院内感染。富山化学には、合成ペニシリン製剤の代名詞ともなった「ペントシリン」の開発や海外大手医薬品メーカーへの技術導出など、高い抗菌活性を持つ抗生物質・合成抗菌剤の開発に大きな実績と経験があります。富山化学は抗感染症領域を大きな柱と位置づけており、現在は、抗細菌剤に加え、抗ウイルス剤、抗真菌剤の研究も行っています。
研究対象
T-705
![[図]T-705](pack/images/infection_img_01.jpg)
T-705は当社研究所における抗ウイルス剤研究の中から見出されたものであり、富山大学医学部の白木公康教授との共同研究により、感染実験での有効性が確認され、最終的な開発化合物として選定しました。
T-705は、各種インフルエンザウイルスに対して試験管レベルならびに感染動物モデルで強い活性を示します。さらに、パンデミックが懸念されている鳥インフルエンザに関しても強い活性を示すことがユタ大学から報告されています。
T-705の最大の特徴は、これまでの抗インフルエンザウイルス剤と異なる新規な作用機序です。細胞内でT-705が活性体である三リン酸体に変換され、インフルエンザウイルスの複製酵素であるRNAポリメラーゼを選択的に阻害してウイルスの増殖を直接阻止することができるのです。また、新規な作用機序であることから、既販薬剤に対する耐性株に対しても効果を示すメリットがあります。
現在の開発状況は、国内では2006年7月に「A型(H5N1型)インフルエンザウイルス感染症」治療薬として優先対面助言品目に指定され、2007年1月より健康被験者を対象とした第Ⅰ相試験を開始し、2009年10月からはインフルエンザ感染症患者を対象とした第Ⅲ相試験を進めています。また、米国でも2010年2月より第Ⅱ相試験を開始して、現在実施中です。
既販抗インフルエンザ剤とT-705の作用様式
![[図]既販抗インフルエンザ剤とT-705の作用様式](pack/images/infection_img_02.jpg)
T-3912
当社が見出したニュータイプの外用キノロン系合成抗菌剤T-3912(デスフルオロキノロン)は、P.acnes(アクネ菌)をはじめとしてMRSAなどの耐性菌にも強い抗菌活性を有し、国内はマルホ社、海外はスペインのフェレール社に技術供与し、現在、皮膚外用剤として臨床試験が進められています。
T-2307
当社が開発中の抗真菌剤T-2307は、新しい作用機序によって広範な抗真菌スペクトルを有し、カンジダやアスペルギルス、治療薬の少ないクリプトコッカスにも強い活性を示すことから、深在性および浅在性真菌症への適応を目指しています。また、既存薬に対する耐性菌にも有効です。

